こんにちは、事務の萩原です。 今日は特定中小会社が発行した株式の特例の中から、「特定新規株式を取得した場合の寄付金控除の特例」を紹介します。 特定新規株式を取得した場合の寄付金控除の特例 Ⅰ適用対象者 :居住者(一定の者を除く) Ⅱ適用要件 :平成20年4月1日以後に、特定新規中小会社が発行する株式(以下「特定新規株式」という。)を払込により取得した場合 控除 :その年中にその払込により取得した特定新規株式でその年12月31日に有するもの(控除対象特定新規株式)の取得に要した金額(1000万円を限度とする)は、特定寄付金とみなして寄付金控除の規定を適用する。 ※特定新規中小会社 ①「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社のうち、 イ 設立1年目のもの ロ 設立2年目又は3年目で前事業年度及び前々事業年度における営業活動によるキャッシュフローが赤字であるもの ②「総合特別区域法」に規定する特定地域活性化事業を行う株式会社で一定の要件を満たすもの ※特定株式の取得に要した金額の控除の特例との関係 特定新規株式の取得した場合の寄付金控除の特例の適用を受けた場合には、その控除対象特定新規株式及び控除対象特定新規株式と同一銘柄の株式については特定株式の取得に要した金額の控除の特例の規定は適用できません。 例:令和1年10月に特定新規株式を10株50,000円で払込により取得。 課税標準が1,000,000円である場合 Ⅲ所得控除額 寄付金控除 50,000≦10,000,000 50,000≦1,000,000×40% ∴50,000-2000=48,000(⇒所得から控除できる) Ⅳ 寄付金控除の手続き 計算明細書を作成し、特定新規中小会社の同族株主等に該当しない旨の確認書や、投資契約書の写しなどを添付して確定申告を行う必要があります。 (本記事は、令和元年11月25日時点の税法の規定に基づき作成しています。)
こんにちは、事務の萩原です。 今日は特定中小会社が発行した株式の特例の中から特定株式の取得に要した金額の控除の特例を紹介します。 個人の投資家が、設立して間もないベンチャー企業へ投資した場合の優遇措置について説明します。 一般的に「エンジェル税制」といわれている制度です。 特定株式の取得に要した金額の控除の特例 適用対象者 :確定申告書を提出する居住者 適用要件 :特定中小会社の発行する株式(「特定株式」という。)を払い込みにより取得した場合 控除額 :その取得した年分の、他の一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得の金額からその特定株式の取得に要した費用の金額を控除することができます。 この場合、その取得した特定株式の取得価格は、当該控除した金額をその取得に要した費用の金額から控除した金額となります。 ※ストックオプションにより取得した株式及び同族株主等の取得株式の場合は不適用です。 個人の投資家がベンチャー企業へ投資した金額をその年の譲渡所得からマイナスできるため、投資のリスクを負担する見返りとして、所得を少なくできるという仕組みです。 申告用件 :この規定は、この規定を受けようとする年分の確定申告書に、この規定の適用を受ける旨の記載があり、かつその計算に関する明細書等の添付がある場合に限り適用する。 例:令和1年11月に特定株式10株を50,000円で払込により取得。 令和1年分の上場株式等に係る譲渡益200,000円ある場合。 Ⅰ各種所得の金額 譲渡所得(上場株式等)200,000円 Ⅱ課税標準 上場株式等に係る譲渡所得等の金額 150,000円(200,000円-50,000円) (令和元年11月現在の税法の規定です。)
こんにちは、事務の萩原です。 今日はエンジェル税制といわれる、特定中小会社が発行した株式の特例についての概要を説明したいと思います。 個人の投資家が設立間もないベンチャー企業へ出資をした場合に、取得から売却までの間に税制上の優遇措置が設けられています。 投資の見返りに対する税制上の特典を作ることで、新興企業への投資の促進と経済の活性化を目的としています。 特定中小会社が発行した株式の特例は大きく分けて3つの場合に分けられます。 1特定株式を取得したとき ①特定株式の取得に要した金額の控除の特例 ②特定新規株式を取得した場合の寄付金控除の特例 2特定株式の保有中の損失 ①価値喪失損失の特例 3特定株式を譲渡したとき ①特定株式に係る譲渡損失の繰越控除 ②公開等特定株式に係る譲渡所得等の特例 ※特定株式とは 特定中小会社の発行する株式。 ※特定中小会社とは 「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」に規定する特定新規中小企業者(設立10年以内で試験研究費が一定以上の中小企業)に該当する株式会社 その他。 次回以降は各特例の適用要件等を説明したいと思います。 (令和元年11月現在の税法の規定です。)