こんにちは、事務の萩原です。 これから、数回にわたり所得控除の概要と各控除項目の詳しい内容について説明していきます。 まず最初に、所得控除のイメージです。所得と所得控除の関係からみていきます。 ★所得-所得控除=課税所得 所得から「所得控除」をマイナスしたものが税金のもとになる課税所得といわれています。 今回はこの所得控除の概要について説明したいと思います。 ①所得控除の種類 所得控除は、全部で14種類あります。大きく物的控除と人的控除の2種類に分けることができます。 物的控除 1.雑損控除 2.医療費控除 3.社会保険料控除 4.小規模企業共済等掛金控除 5.生命保険料控除 6.地震保険料控除 7.寄付金控除 人的控除 8.障害者控除 9.寡婦(寡夫)控除 10.勤労学生控除 11.配偶者控除 12.配偶者特別控除 13.扶養控除 14.基礎控除 ②所得控除の判定時期 物的控除は原則支払ったときにより判定します。 人的控除は原則その年12月31日の現況により判断します。 (年の途中で出国又は死亡の場合はその出国又は死亡時の現況) ③所得控除の順番 所得控除のうち雑損控除額がある場合は雑損控除額から控除する。(他は同列) 雑損控除が課税標準を上回る場合には、雑損失の繰越控除が3年間認められているためです。 ④年末調整で使えない所得控除 給与所得で年末調整の対象となる方で、年末調整では処理されず、確定申告をしなければ、使えない所得控除があります。具体的には、医療費控除と雑損控除と寄付金控除です。 ⑤具体例 医療費控除を使った場合と使わない場合 例:課税総所得金額400万円(給与所得のみ)、医療費20万円、配偶者・扶養親族者なし 医療費控除額 20万円-10万円=10万円 基礎控除 38万円 年末調整のみ場合の税額 400万円-38万円=362万円 362万円×20%-427,500円=296,500円 296,500円×102.1%=302,726円 確定申告で医療費控除を使った場合 400万円-10万円-38万円=352万円 352万円×20%-427,500円=276,500円 276,500円×102.1%=282,306円 この例では、医療費控除を使った場合約2万円税額が少なくなります。 いかがでしょうか、所得控除の全般的なことを紹介させていただきました。 所得控除は所得金額から差し引かれ所得税を抑えることができます。 ぜひ検討してみてください。